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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

V対B=F対P

「f」と「v」は、摩擦音と呼ばれる種類の音だ。これらは、上の歯と下唇とを摩擦して震わせることで音を出す(「th」も摩擦音だが、これは前述のように歯と舌を摩擦する音)。

中学などでこの発音を習うとき、下唇を下の歯の上にかぶせるように巻いて云々、と教わったりする。だが、そんな面倒なことはしていられない。というか、巻いたりする必要はないのだ。上の歯に、下唇を当てるだけで十分である。とにかく音を出す仕組みを知ればよい。再度言うが、下唇と上の歯の間から息を出すようにして摩擦した音を出す。




「f」はそれほど問題ないけれど、「v」の音については、「b」との違いが分からない、と戸惑う人が多い。

しかし重要な事実は、「v」は「f」の有声音バージョンだということである。つまり、やはり「下唇と上の歯の間から息を出すようにして摩擦した音を出す」のであり、そこに声が乗るか乗らないかの違いだけである。摩擦して出す音なので、それ自体を長く伸ばして発音することも可能だ。それに対して「b」は閉じた唇を息の勢いで破裂させて出す「破裂音」なので一瞬しか音は出ない。「v~~~~」と伸ばすことはできても「b~~~~~」は無理である(「ぶ~~~」の場合はbuのuを伸ばしているのだ)。同じく無声音バージョンで「f~~~~」は可能でも「p~~~」は無理なのだ。言うまでもなく、「p」は破裂音「b」の無声音バージョンであるから。


そう、まず「f」と「p」の違いを考えてみよう。こっちはそんなに紛らわしいと感じないのでは?(「f」はむしろ「h」との違いのほうが日本人には分かりにくいかもしれない)  発音の仕組みとしては、同じなのである。これに声が乗るのが「v」と「b」なのだから。

「v」の発音を体感するには、この「v~~~」をやってみるといい。しつこく言うが、上の歯と下の唇の間に息を通して、両者を震わせるのである。「f」では震える感じがしないが、音が乗る「v」では震える感じが分かる。

それで、たとえばveryーberry(ストロベリーなどの漿(しょう)果類)、best-vest(着るベスト), bass- vase(花瓶)など、似た組み合わせの音を練習してみるといい。こういう似た音の組み合わせをミニマル・ペアといい、インターネットのサイトなどでもこれらの聞き分けを練習できるところがある。
前に紹介したサイトでもthとs,tなどのミニマル・ペアの練習はあるが、なぜか「b-v」の練習はなかった。日本人向けというわけではないサイトなのだが、彼らにとってはあまりまぎらわしくもないのかもしれない。
が、さらに探すと、v-bの練習ができるところもあった。
American English Pronunciation Practice

v-bの練習ページはここ。

まず単語をクリックすると発音が聞こえて、何度も聞いてみることができる。その後、問題をクリックして聞こえてきた音がどちらであるか選ぶ。合っているとcorrectと大きな赤字が出てくる。お試しあれ。他の音もたくさんあった。

だが、何度も言うが、聞き分けができるための一番有効な方法は自分で発音してみること、であるから、これらの音に関してもミニマルペアのテストだけではなく、意識して読んでみることをお勧めする。



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